「日本の左翼は平等を訴えるだけで何もできなかった。
大多数の国民は国政レベルでは自民党を支持した。
革新自治体は生まれたが、国政レベルでは左翼に見るべき経済ビジョンがなく、何度かあった不況もその都度克服されたので、国民は結局自民党を支持した。
自民党は腐敗してると批判され、大規模な汚職や官民の癒着が数えきれないほど指摘されてきた。

それでも自民党支配が終わらなかったのは決して自民党が国民に信頼されてたからではない。
資源、所得を再配分する原資を持ち、極端な経済政策の変更を行わないという国民との了解事項があったからだ。」


                  村上龍