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アダム・スミスが「資本主義」に相対して批判し、対立した具体的な対象は「特権階級(特権商人とギルド)」や「独占」です。彼の批判の対象は、国家の介入によって特権を享受し、市場を独占していた商人やギルドのことです。

スミスの主張の中核には、市場の自由と競争がありました。彼は、特権商人やギルドが市場を支配し、自由な競争を妨げることが経済発展を阻害すると考えました。具体的には、スミスは次のような点を批判しました。

1. **特権商人**:国家から特権を与えられた商人が市場を独占し、競争を排除して利益を独占すること。
2. **ギルド**:中世以来の職業組合(ギルド)が新規参入者を排除し、技術や商売の自由な発展を妨げること。
3. **独占**:国家が特定の企業や商人に独占権を与えることで、市場競争を歪め、価格や供給の自由を制限すること。

これらの特権階級や独占に対して、スミスは自由競争の重要性を強調し、国家が市場に介入して特定の利益集団を保護することを批判しました。スミスの思想は、経済活動が自由に行われるべきであり、個人の自己利益追求が結果的に公共の利益を増進するとする自由市場経済の原則に基づいています。

要するに、アダム・スミスが戦った「敵」は、国家が保護する特権階級や独占を享受する商人・ギルドといった存在でした。