■雨合羽を集めた松井市長は「ないよりまし」

 松井市長は4月半ば、医療現場でウイルス感染を予防する防護服が不足していることから、「使用していない雨合羽(レインコート)がある人は、
大阪府、大阪市に提供を」と呼び掛けた。その結果、30万着もの雨合羽が集まり、マスメディアはこぞって美談として取り上げた。

 コロナウイルス禍を受けて結成された「コロナ生活補償を求める大阪座り込み行動」のメンバーは、「医療従事者を雨合羽で働かせるな」と訴える。
雨合羽はウイルスが付着していると脱ぐ時に飛び散る危険があり、決して万全ではない。
行政がやるべきことは雨合羽の提供を募るのではなく、一刻も早く感染防止用のアイソレーションガウン(防護服)をメーカーに発注するなどして医療機関に提供するべきだと主張してきた。

 5月11日、「コロナ生活補償を求める大阪座り込み行動」のメンバーが大阪市役所を訪れて医療現場の改善要望をしていたところ、
5階の廊下で松井市長の記者会見に遭遇。「雨合羽で働かせないでください!」と訴えるメンバーに、松井市長は「なりよりましです」
「仕事の邪魔をしないでください」と言い放ち、会見場からさっさと姿を消した。
この対応に抗議したメンバーは怒り心頭だったところ、5月22日に吉村洋文・大阪府知事が記者会見で「大阪府市は雨合羽で治療しているというのはデマだ。
医療物資は必要な供給量は確保できている」と述べたのが火に油を注いだ。アイソレーションガウンが入手できず、
雨合羽で対応していた医療機関は実際に存在していた。
それを「デマ」と言うなら、何のために雨合羽を集めたのか意味不明である。

 「コロナ生活補償を求める大阪座り込み行動」のメンバーは5月25日、大阪市健康局を訪れ、
「大阪府市の首長は雨合羽を『ないよりまし』と言ったり、『医療現場では使ってない』と言ったり、ふざけるな」と怒りを吐露した。

全文ソース
https://news.yahoo.co.jp/byline/koudaizumi/20200530-00181033/