SNSで「マイグレ風」手口拡散
3Gからの買い替えを装う「マイグレ風」の手口を説明した自身のブログ記事を紹介する池田勝己容疑者のツイッターアカウント=ツイッターより(画像の一部を加工しています)拡大
3Gからの買い替えを装う「マイグレ風」の手口を説明した自身のブログ記事を紹介する池田勝己容疑者のツイッターアカウント=ツイッターより(画像の一部を加工しています)
 第3世代通信規格(3G)からの携帯電話の買い替えは、「マイグレーション」と言われる。システムの切り替えなどを指すIT用語としても使われ、移行や移住などを意味する英単語が語源だ。「マイグレ」とも略されるが、3Gからの買い替え偽装は「マイグレ風」と呼ばれ、ネット交流サービス(SNS)などで手口が拡散している。

 「あくまでマイグレ風です。蟹(かに)じゃなくてカニカマ的な(笑)」。2020年9月、池田勝己容疑者は自身のツイッターアカウントにこう投稿し、手口を記した自身のブログ記事「ケーコジ入門まとめ」を紹介した。「ケーコジ」は「携帯乞食(こじき)」の略で、値引き価格で手に入れたスマホを転売するなどして稼ぐ人たちを指す。

 「マイグレ風」は、携帯電話会社を変えても同じ番号を使える「番号持ち運び制度」(MNP)を悪用している。

 MNPの場合、販売店は自社のシステムで前の契約内容を確認できないため、顧客に従来の契約をしている携帯電話会社の「マイページ」などを開いてもらう必要がある。だが、3Gからの買い替えは高齢者が多く、自身でこうした契約内容を示せないケースなどもあることから、前の契約の確認が必ずしも厳格に行われていない店舗もあるという。「ケーコジ」たちは、こうしたチェックの甘い店舗を狙っているとみられる。