20代半ばで、精神やられて無職になった経験のある僕にとって、「破壊衝動を持つ無敵の人」になるかどうかは、紙一重だったことを痛感している。

25歳の頃、何もかもぶち壊してやりたくなった衝動に駆られ、奇行をしていた時期があったから。

両親が守ってくれていなかったら、今の僕はここにいない。

僕がメンタルやられて家に帰ってきて、勉強も何も手に就かず、昼過ぎに起きて夜中までゲームする昼夜逆転の生活を送っていた頃、母は「この子は、自分達が死ぬまで、引き籠りになって社会復帰できないかもしれない、と覚悟した」と後に僕に語っていた。実際問題、紙一重だったんだと思う。

じゃあ、何故、僕がそうならずに済んだのか。今、思い返してみて感じるのは、世知辛い話だけれど、「実家の太さ」と「自分が積み上げてきた事」があったから、なのだと思う。 常日頃から「男は働いてナンボや」と言い続けていた父が、「もう、お前、限界やろ。家に帰ってこい」と言ってくれたこと。

僕の異常な精神状態に気付き、僕の下宿先までやってきて、僕の代わりに退職届を一人で職場に出しに行ってくれた母。「長期間欠勤した翌日に1人で営業に行かせる」という、異常な状況にいち早く気付いて僕を止めてくれた母。 僕が今ここに居て、社会人として自律できているのは、両親のおかげだ。

もう一つ言えること。24歳という若い段階で、新卒の就職先から放り出されてから、派遣社員やフリーターにならず、正社員として働くことが出来たのは、紛れもなく「学歴の効能」だ。第二新卒という形で、前の会社や今の会社が拾ってくれたのは、僕が学歴を持っていたからだろう。それと、日商簿記二級。