小学生の頃 隣の家に年上の姉妹が住んでいた
塀に囲まれた角には樫の大木が立っていた いやそれは記憶違いで椎の木だったかも
ちなみに自分ちでは欅が同じように立っていた ともかく隣家には姉妹が住んでいた
姉のほうは笑顔が暑苦しいノリのよい人で 私が悪ふざけでスカートをまくったり
すると 「このガキ!スマキにして川に沈めてやる」とか時代劇みたいなことを言って
私を引き倒して転がした それが子供心にマゾ的な快感をもたらした
姉のほうは美大に進んでイギリス人の芸人?と結婚して遠くに行ってしまった
一度そのイギリス人が母親と遊びにきたことがあるが 夕食時に自分がちょっと
聞きかじっただけのワーズワースの話をしたら おばあさんと言っていい母親が
すらすらと詩をそらんじて聞かせたのでさすがイギリス人と感心した
また食卓でもイヌを抱いていてキスしたりしていたのでさすがイギリス人と...
さて私がその姉妹の家によく通っていたのは少女漫画がいっぱいあるからでもあった
当時少年誌はスポ根や番長物が全盛の時代で汗と涙と闘魂の世界だったが私はどうも
なじめず少女漫画ばかり読むようになっていた 萩尾望都 大和和紀 美内すずえとか
松本零士 石森章太郎の若い頃の作品があったろうと思うが 誰のどの作品を読んだ
のか覚えていない 今の少女漫画はわからないが当時の少女漫画はヨーロッパ志向
が強く私のプログレ趣味の土台となるような感性に満ちていた