フロイドとクリムゾンでは演奏技術では勝負にならない。クリムゾンの圧勝。
ただし、生み出した音楽の個性という点では、フロイドとクリムゾンはEL&Pやイエスよりも強い。
それを基準に考えると両者は甲乙付け難い。またウォータースが抜けた後のフロイドの「鬱」で、
クリムゾンのレヴィンがベースを弾きウォータース以上に音楽的に貢献しているのは面白い。
個人的には今なお活動中であるクリムゾンに軍配を上げる。またライトの死も大きい。
フロイドの音楽においてはキーボードを演奏したライトこそが核であったように思えてならない。
よくウォータースの政治的メッセージを音楽に擦り付けるスタイルを批判する向きもあるが、
あれはあれで大したものである。事実、彼は個人としてその方向性を追求し続けているし、
それは商業性を抜きにすればピンクフロイドの音楽と必ずしも同一線上にある必要もない。