Chicago ll SWリミックス、とにかく音の鮮度が極めていい。その点はさすがSWと舌を巻く出来。イメージ的には「上品で綺麗な」スタジオライブを聴いてるみたいな印象かなと。
あの時代の勢いそのものを封じ込めたオリジナルとは全くの別物。
テリーのギターとvoが尖がってないとか、ダニーのドラムがマイルドだとか、ブラス隊が上品すぎるとか、、、
何よりもあの若さ故の勢いが感じられないとか、、、挙げだしたらきりがないクソミックス、、、と捉えるかどうかは人それぞれだと思う。

初期の3枚のオリジナルアルバムのあの泥臭くて荒々しいミックスの音って、バンドに偏ったイメージを植え付け、またそれが時代性にマッチして成功したんだろうと思う。それがガルシアやメンバー達の戦略だったのかは別にして。
今回、SWはリミックスを進めるうちに、アルバムのそういうものを削ぎ落として、結果的に原音の復元を正確にしちゃったんだと思う。
だから、ある曲でブリティッシュジャズロックに聴こえたりするようなことが発生するわけだ。
なんせリミックスしてるのがプログレ者のSWですから当然のこと。シカゴファンからすれば、そんなものは面白くないだろうなあ。
そういうオレは筋金入りのシカゴファンだが、これはこれで楽しめたよ。
しかし、SWがライナーで初期シカゴのアルバムが大好きだと書いてるが、それはあくまで当時のニューロック、アートロックの範疇での話であって、勘違いしてはいけない。今回のリミックスは、一部のシカゴファンからすればいい迷惑だったのかもしれない。
しかし、この国内盤、SWリミックス盤なんて帯までつけて売り出すようになるなんて何だかなあと思う。