現代は肉体的な困難は昔と比べてずっと取り去られてしまいました
いつのまにか、楽をすればいいんだというような考えまではびこってきました
苦境を打開した喜び、自らの志を達成した喜びも、忘れがちになってしまったのです
そして、打開と達成の連続という生物と人類の歴史から疎外されてしまったのです
これが、生命の躍動とは逆の、空しさの正体でしょう
150年前のある有力な本はこう証言しています。「民主国では自殺と精神病が増えるだろう」

また、補償の夢を考えてみてください。補償の夢とはつまり、現状の打開・改良を暗示します
これが無意識の傾向の一つです。現代人の楽な暮らし、楽しようという傾向は
無意識の傾向と反します。現代人は、2重3重にも空しさにとり囲まれているのです