『嫌われる勇気』を全部読みました
納得できる考え方と疑問点、それぞれいくつか見つけられました

【大体納得できる考え方】
・人間は何か目的を達成するために感情を作り出す
・人間の全ての悩みは対人関係の悩みである
・「今、ここ」を真剣に生きましょう
・大切なのは何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである

【疑問・矛盾を感じる記述】
@ライフスタイルを大転換する為には「全ての人と」横の関係を築く必要がある。人間は横の関係と縦の関係を相手ごとに使い分けることはできない。
一方、横の関係を築く手段である「無条件の信頼」は、「この人とは関係を良くしたくない」と思えば断ち切ってしまって構わない。

 →横の関係は全ての人と結ぶべきだが、無条件の信頼は寄せる人と寄せない人を使い分けてよいということか?
 もしそうならば、信頼を人によって使い分けること自体が「無条件」という言葉に反していないか?
 またもし違うなら例えば、長く付き合っている親友と金銭や洗脳を目的に騙してくる勧誘者を同じように無条件に信頼すべきといった非現実的な考えにならないか?

A仕事をしながら小説家を夢見る人の例のように「〇〇だから△△できない」「もし●●だったら△△できる」と可能性に逃げているうちは変われない。
 
 →では変わる為にはやりたいことを先延ばしにせず、今手当たり次第にやるべきということか?
 それは計画性のない非効率で繁雑で行き当たりばったりな生き方ではないか?

B人格形成において過去の被虐体験の影響は強くあるが、それによって何かが決定されるわけではない。
人間は過去の経験にどのような意味を与えるかによって生を決定している(第一夜)
過去にどんなことがあったかなど、あなたの「今、ここ」には何の関係もない(第五夜)

 →過去が人格形成に影響することを認めるなら、人格によって変わるであろう「今、ここ」も過去に影響されると言えるのではないか?
 そもそも過去の経験にどのような意味付けをするかも、過去に影響される人格によって変わるのではないか?
 過去によって「今、ここ」が「決定」されないことはともかく、「影響」はあるのではないか?第五夜の記述のように「何の関係もない」とまでは言えないのではないか?