先ず録音機器を用意します。
色々な感情を解りやすい台詞で録音します。
注意点として、怒りの感情なら本当に怒りながら、悲しい感情なら本当に悲しい事を思い出しながら。
虚しい時なら虚しさだけの時と、虚しさとバカバカしさがある時、を分ける事。
一言にも色々な感情が含まれている事を念頭に入れつつ分ける事です。
そしてそれらを録音した後、いずれかの台詞を上記のように喋った時と、その台詞を感情を出さずにあくまで演技だと意識しつつ喋った時をそれぞれ録音します。

その最後に録音した自然な時と、演技の時を聞き比べると
演技の上手さに関係無く、演技の場合は声の表面的な部分、音の大きく聞こえる部分と
音の始まりと終わりの小さな部分に変化が感じられます。
演技の場合はその小さな部分が止まるような印象を受け、大きな部分が一定の音域で収まり過ぎているのが解ります。
どんなに自然な演技でもその微かな部分がそう言う動きになります。
一定の音域と言っても途中で声を高くした時に変化します。
その時の違いは弧を描くような曲線的な流れか、そうでは無い直線的な下降上昇なのかで解ります。
勿論直線的な方が演技です。
やってみると分かりますが、どんなに話か方を変えても感情が籠もっていないと声の流れが直線的になります。
なので、演技と言っても感情が籠もっていると自然に延びる印象を受けます。

要はその言葉に感情が籠もっているか解る訳です。