(続き)

「全てのものを破壊するというのは単純な意味合いにおいて、
物理的な方向性を示唆しているのではなく、ある種の観念の精神をこそ示唆していると受けとめるべきだと思うな。
少なくとも深い現実認識は俺たちに破壊の意味をそのように受けとめさせてしまうものだ。
これ自体不幸なのだと言い切れるが、物理と精神が大きくかけ離れ互いのバランス、つまり遠近による、
ならびに意味性の重力が安定を完全に喪失してしまっている今日においてはごく自然な現象である。」

(『ドール』10号「デストロイ・マニフェスト」)