ひがみの心理
最近の通り魔的殺傷事件の動機の希薄さ加減には呆れる
相手に苦しめられて、相当な辛い経験をへて
最後の最後で理性がはたらかなくなって殺す
それならば、ことの成り行きも心理状態も理解できるのだが……

一般に殺人に至るには
殺そうと思う対象との関係はかなり密接で
本人の心理の上においてその存在がかなり重いケースがほとんどだったはず
それがまったく本人と関わらない通りがかりの人を襲い
いとも簡単に殺人に及ぶという心理が
なかなか理解できるものではない

その身近なる人物は自分の身の上ががきわめて不幸であると嘆く性質がある
自分が不幸な原因が自分自身にあると考えることはできなくて
必ずといってよいほど自分と関係の深い人に責任転嫁して紛らわそうとする