1955年の「モスクワ・シグナル事件」

<市販されている本や、ネット上でも、モスクワ・シグナル事件を探ることが
できる。

だがそこに書かれている多くは、1976年に起きた事件の話で、それは
駐モスクワ米大使館に勤務していた2人の外交官が、向かいのビルから
照射された電子監視装置の放射線を浴び、ガンを発症させた事件と解説
されている。

モスクワ・シグナルに関しては、その他、1950年代の事件が説明される
場合も、原因不明の熱や吐き気、頭痛などと表現される。
だが正確に表現すれば、モスクワ・シグナル事件とは1955年に起きた
「幻聴事件」が最初だった。その後もさまざまな事件が続き、
1976年の外交官ガン発症事件にたどり着く。

モスクワの米大使館は、1955年の事件勃発と同時に、その原因が向かいの
ビルから照射されるマイクロ波にあることを掴んでいた。

ソ連がなぜ米大使館に向かってマイクロ波を照射していたのか。

それは米大使館が所有する盗聴装置を混乱させることが目的だったとされるが、
真相は当然ながら不明だ。