>>765      1960年、3月29日(火)    続き
僕ら、団塊の世代は想えば、作りに作った世代だった。われら団塊は先ず、小学校の1年生で、糸巻の戦車を作る。2年生に進むと
竹ひごゴム動力の模型飛行機で校庭高く、夢が舞い上がる、次に3,4年生でエナメル線を巻いて直流模型モーター2極式を組み立て、
だがしかし、この頃ようやく、プラスチックモデルが世に出現し、潜水艦ノーチラス号も、これも未だまゴム動力式だ。そして小学校4,5年ここで
ゲルマラジオに取り掛かるころ、マブチモーターのNo15番を入手して、直流模型モーター2極式の組み立て品とは、きれいさっぱり
お別れする、こんなトルクの弱いモーターでは車、自作の木製車体さえ動かないからな。ちょうどそのころゲルマラジオは、5球スーパー
へと変わり、2バンドをパチンと短波へ切り替え、小学校6年生の小さな大人は短波帯の、めくるめく混信と音楽と、イメージ混信と
その混乱の中で浮かび上がる、日本短波放送と、アマチュア無線家の不思議な、おしゃべりに興味が移って行く。これが、われら
団塊世代の、忘れようにも忘れられない鋼鉄の進撃パターンだ。