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エリクソン・ジャパンは2018年11月8日、プライベートイベント「エリクソン・フォーラム2018」を
スウェーデン大使館で開催。5G時代の通信事業者のビジネスを支える多彩なソリューション
をアピールした。
今回のエリクソン・フォーラムでは、5Gの基地局装置の展示に大きなスペースが割かれた。
特に3.7GHz帯や4.5GHz帯などのミドルバンド向け製品では、4Gと5Gとの帯域共用、
4Gから5Gへのアップグレードなどに対応できる点がアピールされた。エリクソンではスポット
的にエリアをカバーする28GHz向け製品にも力を注いでいる。
もう1つ、今回エリクソンが力を注力していた展示に、AI/機械学習を活用して無線ネットワークの
設計を最適化するソリューションがある。

5Gでは、基地局にアンテナと無線部だけを設置し、光ファイバーでビル内などに設置されて
いる基地局制御装置と接続して、多数の基地局を集中制御するC-RAN構成が多用されると
見られている。これにより異なる基地局間のキャリアアグリゲーションなどが柔軟に実現でき
るようになるが、実際に多数の基地局の複数帯域を最も効率的に利用できるように組み合わ
せるのは、簡単な作業ではない。
このソリューションは、無線ネットワークから、エリアのオーバラップ状況やハンドオーバー
のリレーション数など様々な情報を取得し、コミュニティ・ディテクションというアルゴリズムで
解析することで基地局の結び付きを数値化することで、最適な組み合わせを実現するという
もの。人手で設計する場合と比べ、エリア内スループットを20%ほど改善できるケースもある
という。

エリクソンは、2017年にこの手法を用いたネットワーク設計サービスを世界で初めてソフトバンクに
提供しており、ネットワークのパフォーマンスの向上とともに、納期短縮、コスト低減を可能にしたとのこと。
「日本発」のソリューションが今、世界で展開されているのだ。

また、エリクソンでは、無線ネットワークの保守などでのAI/機械学習の活用にも力を入
れている。障害発生時にエンジニアが対策に費やす時間を90%以上削減できるという。