かつての浪曲ブーム自体が終わったのは虎造師匠というより、社会
的要因が大きいと考えられます。ある種の時代的な役割が終わったと
見ることができます。

それとは別に(あるいは関連して)虎造師匠に人気が出た秘訣は、
浪曲臭さを減らして軽くした点が大きいかもしれません。小沢昭一
さんも、つまるところ虎造師匠は浪曲の「近代化」をしたと言って
います。

その後流れを継いだ人もいなかったのかもしれませんが、ブームの
終焉は、やはり社会的・時代的要因が大きかったと思います。