多彩な芸ひとりで挑む 歌舞伎俳優、市川九團次 
芸能プレミアム2017.9.23 14:00
http://www.sankei.com/west/news/170923/wst1709230007-n1.html

 男らしく精悍なマスク。いかにも歌舞伎俳優らしい風貌で、二枚目から敵役、三枚目まで、いま、市川海老蔵の舞台になくてはならない重要な存在として、東西の舞台に忙しい日々だ。

 そんな中、自主公演「九團次の会」を今秋、京都で開催する。

 「役者としてのいろんな色を開拓したい」との思いから昨年スタート。海老蔵には「とにかく、やれることをやれ」と背中を押されたという。

 「自主公演は演目選びやチラシ作り、広報など準備段階から本番まで自分でやらねばならず、大変なことだらけ。でも、やらないことには前に進めないですからね」。顔がやわらいだ。

 今年の会では、舞踊「翁千歳三番叟」で、翁の荘重な舞、三番叟の躍動的な踊りに挑む。
さらに、源平の合戦で、敵方の平家の船の扇の的を見事、弓矢で射抜いた那須与一のエピソードを描く舞踊「那須与一扇之的」を、
そして講談「源平盛衰記−那須与一名誉扇之的−」を勤める。

 「ひとりでやる、が、今回のテーマ。那須与一の舞踊は、素踊りで何役も踊り分けるのが眼目。講談にも挑戦しますので、身体表現と語りをぜひ、見ていただきたい」

 出身は関東だが、歌舞伎俳優としてのスタートは関西だった。当時は、上方歌舞伎を演じるため、松竹新喜劇の藤山寛美の舞台映像を見るなどして必死に関西弁をマスターした。