先代幸四郎(父)

松本白鸚、弁慶から浮気男へ大変身! 78歳で初役の心境明かす 来月4日初日「七月大歌舞伎」で山蔭右京役(中日スポーツ)6/11(金) 5:01
https://news.yahoo.co.jp/articles/b4d1d0d977bd902dbf2242953e14c46dfef8e3c0

 歌舞伎俳優の松本白鸚(78)が「七月大歌舞伎」(7月4〜29日、東京・歌舞伎座)の第二部「身替座禅」で初めて主人公の山蔭右京を演じる。
本紙はこのほど撮影したばかりの扮装(ふんそう)写真を独占入手。公演中のため電話でインタビューに応じた白鸚は、歌舞伎界でも異例の初役に込めた思いを明かした。(関龍市朗)

 弁慶から浮気男へ“笑撃”の大変身を遂げた白鸚。初披露した右京の姿は通常の静止した撮影ではなく、愛人宅からウキウキして帰ってくる踊りの場面を再現しながら撮影。
白鸚の提案で、まるで劇中から飛び出してきたような一瞬の表情をとらえ、奇跡の一枚に仕上がった。

 浮気男の右京と怖い妻・玉の井のコミカルなやりとりが見どころの人気演目「身替座禅」。これまで縁のなかった白鸚と右京を結び付けたきっかけは2019年の「一条大蔵譚」だった。
志村けんさんがバカ殿のモデルにした“作り阿呆(あほう)”一条大蔵長成を47年ぶりに演じた白鸚に、喜劇のセンスを感じた松竹のプロデューサーが右京役をオファーした。

 白鸚は「自分のやってきた役と違う役だけど」と前置きしつつ、「男の持つ弱さや、どうしようもない男の本心がにじみ出れば。
道徳的ではないテーマだけど、ユーモアも加えて最終的にペーソス(哀愁)も出るようにしたい」と意気込む。

 あまたの名優たちが演じてきた右京役。特に白鸚が意識しているのは十七代目中村勘三郎さんだ。
35年前、一度だけ出演した「身替座禅」で玉の井を演じた白鸚は、最後となった十七代目の右京を目の当たりにしていた。「おじの右京はすばらしかった」と繰り返した白鸚。
今回の撮影でも十七代目が最後に着ていた衣装を身につけ「歌舞伎ならではの伝承」とアピール。「右京役を引き受けたのも芸を教えてくださった先輩方への恩返しのつもり」と明かした。