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昭和三十年代の『演劇界』
歌舞伎研究家・相馬 皓による連載「やさしい舞台の知識」全20回を一冊にまとめました。
服飾・風俗史家であり(略)日本画を学んだ著者が挿絵も描き、
舞台の大道具・小道具や衣裳などについて、背景となる江戸の生活・文化とともに解説しています。

と冒頭にあり
たとえば武士の服装だけでも初心者向けに詳しく書いてあり、目から鱗だった内容も
以下抜粋

上下(かみしも)であろう。肩衣(かたぎぬ)と称する上半衣と袴とから成り立っているので、本来の名を肩衣袴という。
その特色は肩衣に袖がなく、肩の左右が張り、前身(まえみ)の外側が胸の辺から肩へかけて三角形をしており、
見かけは、良くいえば端正で威厳があり、悪くいえば俗に「上下を着たような…」という形容詞があるように、
しゃちほこばって窮屈な感じの、封建体制の整った江戸時代の武家のあり方をズバリと象徴したような衣服である。
(略)
長袴をはく理由について殿中での狼籍を防止する意味から用いられたという説があるが、それはこじつけで、
要するに裾を長く引いた方がエレガントに見えるという点から用いられたにすぎないのである。
上下の地質ははじめの頃緞子(どんす)、綿、綟子(もじ)、繻子(しゅす)等各人の好みによったが、

…といった感じ 笑
自分は大変役立つ冊子だと思ったよ