松竹座
口上
玉)壱太郎は、一人で踊る演目を発表前になるまでなかなか言ってくれず
何が踊りたいのと詰め寄ったらw、鷺娘が踊りたいということで
自分が踊っていた演目を後輩が踊るのは嬉しい事。
壱)鷺娘は海外公演では踊ったことがあるが、一月間の公演で踊りたいと思っていた。
役だけでなく、大道具小道衣装照明全てに気を配る玉さんに学んでいる。

玉の当たり役だから遠慮して言い出せなかったのだろうか。
ファンはどういう経緯で鷺娘を踊ることになったか知りたいから
そういう疑問を予想した口上だろう。

鷺娘は演出としては、最後の息絶える部分は同じだが
傘尽くしでは、小ぶりの傘二本で踊るのは大きな違い。(鈴はついていない)
イヤホンガイドによると初演時は、鈴の付いた傘二本で踊ったという事で
色々なやり方があるようだ。
玉さんのような海老ぞりや、雪に美しい軌跡を描く高速連続回転は無い。

鷺娘は、やはり玉さんのは別格というか異次元と思った。
細かく比較していないのでわからないが、照明、衣装のデザインや質や着付け、
傘、早変わりの鮮やかさ、雪の降り方、身体の動き、すべてが違うように思う。
なにより玉さんは鷺、回想の可愛い娘、と変転するすべての存在になりきり
一つの幻想世界、一つの宇宙を現出していた。
玉さんは音楽が素晴らしければ踊りは挿絵のようなもの、とも謙遜するが
同じ音楽でもやはり踊りと演出で大きく違ってくると思う。