繁昌亭も喜楽館も高座返しはお茶子さんがやるが
楽屋の雑務は「楽屋番」という開口一番に上がれる年季前の子がする。
それはローテーションが組まれていて一門関係なくまんべんなく回されている。

そこで、自分の師匠や一門以外の師匠と面識が出来る。
噺家は同業者と合わなければ何年も会う機会がない事がある。
上方でも280人もいれば相当なキャリアの噺家同士でも一ぺんも会ったことがない人も居るそうだ。
定席の楽屋は人間関係が出来て他所の師匠の会の前座や年季明けしてからお稽古もしてもらいやすくなる。

それに今まで各師匠任せだった「鳴り物」の稽古や、有志の希望者だけの「笛」の稽古など協会が教室を開いてくれているし、健康診断も上方落語協会がやってくれてる。


修行中の若手噺家の定席の修行は、実地の高座よりそういった裏の仕事の方が修行になる。
毎日、師匠以外の色んな人の話を聞けるし、うまい人、受けない人どちらの噺も聴けて後々自分の落語の参考になる。
うまい人ならそのまま参考に出来るし、受けない人のは何故受けないか自分で分析して参考にする。

こういう事は自分の師匠の独演会や一門の落語会だけでは中々出来ない事だと思う。