先代の宗家の観世元正が死んだのは、平成2年(1990年)8月も終わろうとする暑い日のことだった。
福岡空港で気分が悪くなり、ホテルに引き返して休んで亡くなった。
60才だった。

評論家の堂本正樹は、「舞台をたくさん勤めたための過労死だった」と言っていた。