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R&Bにラップを加えたスタイルの女性側最重要人物はTLC。R&B史に残る名盤、1000万枚以上売れた2ndアルバム『クレイジーセクシークール』では、ラップのようにサンプリングしたソウルのトラックから、ベイビーフェイス作のメロディアスなものまで全てにおいて、3人全員がダンサーのように踊 りながら、2人が歌い、1人がラップをするという体制をとった。流行りそうなファッションにメイクをし、MVでは、彼女たちのダンスシーンに顔のアップが挟まる、今のK-POPのそれの原点となる作りになっている(特に代表作「クリープ」で)。

TLCのスタイルをメジャーなシーンでよりヒップホップテイストを強めた形で展開したのは天才ローリンヒル嬢。グループでなくソロではあったが、元々ヒップホップグループ出身であり、歌とラップどちらも超高次元で実現できた。惜しむらくは、実質ソロではアルバム1枚しか出さなかったこと。TLCもその後残念なアルバムを1枚出すくらいで、R&Bとヒップホップ(ラップパート)の融合は、ここで終了してしまう。

男女とも大きく跳ねたが、先駆者がそうそうにシーンから退散し、せっかくの新しいムーブメントがアメリカでのシーンに根付かなかったのである。