「人間の力をもってしても変えられぬ宿命など、あってたまるものか」─

19世紀末、清朝末期の中国・紫禁城を舞台に
繰り広げられる浅田次郎の大ベストセラー小説「蒼穹の昴」。

その初の舞台化に、宝塚歌劇が壮大なスケールで挑みます。

「汝は学問を磨き知を広め、帝を扶翼し奉る重き宿命を負うておる」

梁家屯の地主の次男・梁文秀(リァン・ウェンシウ)は、
韃靼の老占い師から受けた予言をふと頭に浮かべていた。
やがて熾烈な科挙の試験に首席で合格した文秀は、
清国の政治の中枢へと否が応でもその身を置くこととなる。
光緒帝に仕え、改革派の俊英として名を馳せる文秀と、
かつて義兄弟の契りを交わした極貧の少年がいた。
その名は李春児(リィ・チュンル)。
彼もまた、
「その手にあまねく財宝を手にするだろう」という予言に夢を託し、
妹・玲玲(リンリン)を故郷に残し都へ上る。
やがて宦官となった春児は、
紫禁城に君臨する西太后の側近へと昇りつめてゆく。
落日の清国。
その分割を狙い、
列強の西洋諸国が虎視眈々と迫り来る中、
文秀たちは
紫禁城に渦巻く権力への野望と憂国の熱き思いに翻弄されることになる。

激動する時代の流れの中で懸命に、
運命に抗い力強く生きる人間たちの勇気と希望。
文秀の鮮烈なまでの生きざまを主軸に、
宝塚歌劇版としてドラマティックに、
そして華やかに描き出す
超大作歴史ミュージカルにどうぞご期待ください。