(つづき)

羽入氏の私に対する強い怒りは、その筆致からもにじみ出ており、
そのような怒りが私に向けられることも全く正当である、と私は
認めざるをえません。私が原因で5人が亡くなったことは、事実
だからです。

しかし、羽入氏は、嘘をつきながら、私がこの当の事実を否認し
ていると述べており、それが彼の憤怒の原因の一つになっている。
だが、しかし、それは違う、と私は言わなければならない。

羽入氏の記述では、真相を究明せんとする彼の一連によって、最初
はシラをきって、逃げ続けていた(とされる)私が「追い詰められ」
(166頁)、「ボートを転覆させた加害者として現場検証に連れてい
かれ」るまでになった(168頁)、ということになっているけれども、
それは違う。私は、事件の当日から警察で事情聴取を受けており、
その後も何度か呼び出しを受けた(が、現場検証には立ち会わされ
ていない)。

(つづく)