自然人類学者でも脳科学者じゃないもんで、詳しくは知らないけど、
記憶(知識)の吸収の仕方を誤れば、個人も集団も、とんでもない方向に
行ってしまうのは、歴史が証明してるとこあるね。

 人間の脳には、大脳辺縁系という部分があって、ここでは、感情と記憶が
司られている。つまり、記憶(知識)と感情は、かなり関係が深く、いやむしろ、
感情は記憶によって作られていく、と言っても過言ではないぐらいで、
記憶(知識)を摂取する過程で、好き嫌いをしてしまえば、感情にも障害(般化)(防衛機制)
が起こる、という命題が導ける。

 また、人間の脳には、前頭葉という部分があって、ここでは、合理的思考、
目的を達成するために、秩序立てて 作戦を練る能力 が司られている。
自然人類学では、人間の脳が新しく進化してゆく過程で、この前頭葉の進化、
あるいは全体のバランスがおかしくなってしまったがために、人類(文明)は、
現在のような、腐敗、滅びの道を歩むようになってしまったのではないか、と考えられているらしい。
槍という飛び道具を扱う クロマニョン人辺りから、人間は少しずつおかしくなったんだと。

 それ以前のネアンデルタール人の段階では、たとえば社会学の福祉の起源はここにあって、
弱者を労る精神、人間精神、埋葬の儀式は、もうこの頃から存在していたそうだ。
イランのとある洞窟では、現在でも、周りに一面の美しいお花畑を広がっているんだが、
その洞窟で発見された6万年前のネアンデルタール人の遺骨からは、花粉が発見されたらしい。
つまり、6万年前も、あの洞窟付近では、現在と同じように お花畑が広がっていて、
ネアンデルタール人が、死者に手向けて、その花々を摘み取って、土に一緒に埋めたのではないか、
と現在のところ考えられているらしい。

 養老孟子っていう、東大の高名な教授が出演してるDVDで、
NHKスペシャル『驚異の小宇宙 人体U 心と脳』っての、ちょうど観賞してた。