まず、江戸時代以前で「先輩・後輩」の単語を使う場面が
あるでしょうか?

江戸時代以前には「先輩/後輩」という概念がほとんどなかった
のではないでしょうか。

学校(寺子屋)は「学年」という考え方はありませんでした。
年齢ではなく習熟度に応じた学習をしていました。
だから「先輩/後輩」という概念はありません。

職場などでは、「兄さん(あにさん又はにいさん)」などの呼び方を
していたようです。
現在でも、落語界では先輩のことを「アニさん」と呼んでいます。
「兄弟子(あにでし)」、「弟弟子(おとうとでし)」とか。

武家社会は出世は家柄で決まるので「先輩/後輩」の概念は
ないですしね。

あと考えられるのは医者や僧侶や学問などの世界です。
こういう世界で、文献に「先輩/後輩」が使われていた可能性は
ありますが、私は聞いたことがありません。

明治以降、学校制度が整備されたのと、西洋語の翻訳による
熟語が多くできたことから「先輩/後輩」の言葉も普及したと
思われます。