1890年(明治23年)頃、4131万人。2010年の国勢調査では1億2806万人。
社人研の死亡中位・出生中位ケース予測では2110年頃に4286万人。
110年で3倍になった総人口が次の100年で何も手を打たなければ3分の1になり
明治20年代に戻る。人類の近代の歴史の中でこんな国はひとつもない。
中世ヨーロッパでペストの大流行でも死者は約3分の1で3分の2は生存。
社人研の2065年8100万人を何とか1億人維持(つまり今から49年後にプラス
1900万人)というのを目標に掲げているのが今の政府。
子供を生む女性の年齢は、20歳から39歳でその95%を占めるから、49年後といっても
その時点で39歳の女性は10年後の2026年生まれであり、20歳の女性は29年後の2045年
生まれとなる。20年の間で1900万人増やすというのは年に平均して95万人の上乗せということ
であり、2065年頃の予測出生者数がどの程度なのかいまひとつ判らない部分が
あるが、仮に50万人とすると上乗せ95万人を足すと平均的に10年後から145万万人の
子供が生まれないと無理があることになる。145万人というと1980年から84年ごろの
水準をやや下回る程度で現在の100万人を切る寸前から約50%増である。
現状の雇用問題や出産子育て問題がほぼすべて10年以内に解決しているという
事でも起きない限り到底ありえない。ところで1億人が本当に必要かといえば
日本の国土を考えるとそれよりも6千万人から8千万人の間ぐらいで80%が中流意識
をもてるような国のほうがよほど全体としては幸せな国といえるだろう。
現在、確かドイツが9200万人ぐらい、フランスは6000万人ぐらいだったと思う。
よって経済の政府が意図している政策は、方向としては間違っていない(雇用の
改善・女性の働き促進と子育ての両立などなど)のだが、1億総活躍という
唯一といってよい数値だけが目標値が高すぎる。ドイツ・フランスの間ぐらい
でいいと思う。ブラック企業やブラック産業はほとんど市場からなくなっている。
(労働人口がどんどん減っていくので誰も入社する必要がなくなっていく。)
今20代の人は、49年後の2065年ならまだ生存している年齢だろうから、
結構まじめに申し送りをした次第。

49年後に生きていることは100%ありえない年齢の中年から・・・・。