そんなことを宮台さんは言っていないし・・・

近代の法治国家、市民社会においては、罪人として扱うのに十分な証拠もなしに誰であれ
罪人扱いしてはならないのであって、論理的、科学的証拠に厳密に依拠するかぎりにおいて
現時点の段階で片山被告を有罪視してはならないという至極当然の合理的手続きを
佐藤弁護士や宮台氏は主張していたにすぎないよ。その点は科学者が行う手続きと同じ。

警察や検察は法律の代理人であり、法律が破られていないかを監督する任務を負うけれども、
それに対して弁護士というのは警察や検察とはまったく別の任務を負っている人なのであって、
弁護士とはつまり憲法の代理遂行人であり、法律が憲法の理念にもとづいて正しく運営されているか
どうかを常に監視するための任務・責任を負っている存在なんだよ。
憲法が行政権力を監督する立場にあるのに等しい。弁護士というのはそういう特殊な職業。

その意味で弁護士としていちばんの使命は、無実の人を有罪にしてしまう法律の濫用による過失を
しっかりと監督できなかったこと、見逃すこと、つまり憲法の代理人としての役割を果たせなかった
ことに求められるべきであって、警察や検察と同じ役割を演じられなかったとして弁護士として失格だ
という話にもっていくのは全くのお門違い。
田吾作的短絡思考の持ち主がマスコミ報道に踊らされておかしそうな無反省な発想だよ。

この一件を誤って理解し、弁護士が検察と同様に被告を常に疑心暗鬼の目で見る傾向がこれで
強まりでもしたら、その弁護人たちは弁護士という職業の責任放棄したことを意味するのであって、
それこそ近代の法治国家の秩序が根本から崩壊してしまう危険が高い一大事ってことになるんだよ。

この点で佐藤弁護士の発言には少し問題があったところもあるが・・・