黒澤はゆまの「なぜ闘う男は少年が好きなのか」読了。

少年、特に美少年の美と魅力は、闘いだらけの大人の男性の世界に若さ・潤い・活気をもたらすと結論。
前近代的な戦士の共同体が、近代の兵士になると、美少年の地位は零落し、大人の男性は少年を大切にしなくなる。

なるほど。なぜアサオちゃんがミクシィで古代ギリシャ風美少年のアイコンを使っていたか、
近代の学校や管理社会を批判する竹宮惠子作品にこの世に新しさをもたらす者として早乙女ならぬ早男キャラが描かれるか。
それらを近代産業文明批判を引き継ぐオルタナの御方様が殊の外、重宝されているか。
全てこのすぐれたラノベ作家の本を読めば、腑に落ちる。非常に優れた、近年稀に見る傑作エッセイ。文体も新鮮、かつ独自の美風を醸し出している。