電車の中、缶ジュースを飲んでる女。
イヤホンから漏れる音楽に周囲が迷惑。
飲み終わったら、空き缶をそっと足元に置いて立ち去る。
手のひらにはiPod。 電車は彼女にとって、ゴミ箱も同然。
iPodを聞きながら、何事もなかったかのように駅に消える女。
騒がしい発車ベルとともに、車内の不快指数が少しアップ。

また別の日、電車の中。
車内は少し混んでおり、空いている座席は殆ど無い。
そこに乗車してきたお婆さん。
当然のように、席を立ち、微笑みながら席を譲る女性。
ふと見ると、手のひらにはWalkman。
お礼を述べて、席に着くお婆さん。
車内に爽やかな風が吹いたような気がした。

街に出ればわかるはず。素敵な人が持っているのは、そう、いつも Walkman。