選択 2007年6月号 経済情報カプセル

「新液晶工場報道でシャープが朝日新聞を特オチに」

シャープが三重県亀山市に続く大型液晶工場を大阪府堺市に建設することが決まった。
亀山の用地が手狭になり拡張余地がなくなったため新しい建設用地を探していたところ、
各地から誘致の手が挙がった。最後まで堺と競り合ったのが兵庫県姫路市。
松下電器産業のプラズマディスプレイ工場が兵庫県尼崎市にあり、
液晶でもう一旗と兵庫県も活発に働きかけていた。

動きを察知して朝日新聞が3月2日付朝刊で「シャープが姫路に立地」と報じると、
交渉が難しくなるとシャープが激怒。
報道を受け、兵庫県の井戸敏三知事が記者会見で「大歓迎」と発言し、
シャープも動きにくくなった。

結局シャープは堺への進出を決め、5月18日深夜に
朝日を除く全国紙各社に耳打ち。
翌19日付朝刊で朝日は特オチにされた。仕掛けたのはシャープのU広報室長。
自社に都合の悪い記事が載ると早朝から担当記者の携帯電話にクレームを入れる
行儀の悪さで知られていたが、今回は最も極端。
在阪メディア各社もさすがに眉をひそめているが、当のシャープは気にしない。
U広報室長は6月22日付で監査役として処遇される。