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グループ役員クラスが集まったパーティでのことだ。
プレイステーションの成功でゲームビジネスをソニーの基幹事業にまで成長させた久夛良木氏だが、前年、SCE社長から会長に棚上げされていた。
「突然、ハワードの怒鳴り声が響き渡ったのです。久夛良木がハワードを厨房に誘い、『カズオ・ヒライ(平井一夫・現SCE社長)は駄目だから、自分を社長に復帰させろ』と直談判し、
ハワードが、『まだそんなことを言っているのか、自分の置かれている立場が分かっているのか』と語気を荒げたところでした。鼻っ柱の強い久夛良木も、ハワードのあまりの剣幕に黙り込んでいました。」
しかし、この「怒り」は、実は「愛情の裏返し」であり、そこを見誤ると、今回、ストリンガー氏がソニー本社の役員でもない久夛良木氏に、密かに辞任の弱音を打ち明けた真意が見えなくなると、このOBは言う。