プレミアムシフトはカメラでも

ソニーヨーロッパにおける、もっとも顕著な改善例ということでテレビにフォーカスして紹介したが、
こうしたプレミアムシフトは他の商品分野でも起きている。

ソニーが得意としてきたデジタルカメラ領域は、市場全体が縮小を続けているが、ここ数年は
プレミアムコンパクトと言われるクラスでRXシリーズが安定してシェア上位だ。これに加えて、
35ミリフルサイズセンサーを搭載するレンズ交換式カメラにおいて、ニコンを抜いて安定した
2位の足場を築いただけでなく、キヤノンの背中さえ見えてきた。


A9が高い評価を得ている(ソニーヨーロッパ作成資料を筆者が撮影)
今年6月の数字では、キヤノン37.4%に対してソニーは31.8%。国ごとにみると、ドイツ、スペイン、
オーストリアなどではキヤノンを逆転した。とりわけドイツでは42.1%のシェアを獲得し、キヤノンの
30.5%に大差を付けている。

これはフルサイズセンサー搭載のフラッグシップミラーレス機「α9」を投入した効果が大きいが、
実は写真専門店と共同でのイベントやマーケティング施策など、カメラコミュニティへのコミットを
地道に続けてきたことが結果として表れたものだという。
http://toyokeizai.net/articles/-/187059?page=3