僕はオンラインの有料化は、ゲーム業界の健全な発展において重要であると考えている。
まず重要なことは、すでにテレビゲームは「一度売ったら終わり」という時代ではないということだ。
昔のゲームであれば、ソフトを買った時点で、そのソフトに関するデータの譲渡は、すべて完結した。
だからバグがあっても、あとからそれを修正することはできなかった。
「バグではなく仕様」という言葉があるが、製品化されてしまったソフトのバグは、そう言い張るしかなかったのである。
しかし現在のソフトは一度販売しても、アップデートなどが提供されるようになっている。
無償有償と幾度となくアップデートされることで、バグフィックスはもちろん、
新しいステージや新キャラなどが追加されたりするのが当たり前になっている。
今のゲームはかつてのように「一回買ったら、その内容を提供してサービス終了」ではなく、
「一回買っても、バグがあれば直しますし、いろいろとアフターサービスの用意がありますよ。
ゲームを気に入っていただければ、有償ですがオプショナルツアーも楽しめますよ」というものになっているのである。
そのために、家庭のゲーム機はかつてのようなスタンドアローンではなく、
オンラインで楽しむゲームはもちろん、たとえソロプレイのゲームしかプレイしない人であっても、
アップデートの情報などを得るためにサーバー接続をすることが前提になっているのである。
そうした保守管理やオプショナルサービスまでもを含めた、テレビゲームというコンテンツサービスを
円滑に提供するために、その入口となるハードメーカーが持つサーバーの維持は非常に重要な課題となっている。もはやサーバーはゲーム機の持つ機能の一部として欠かせないのだから、「ゲーム機利用料」としての料金負担は、必然であるとも言える。
むしろ、オンライン対戦などを使用さえしなければ無料でアップデートなどのサービスを受けられるということに、
ありがたさを感じるべきだとすら思う。