僕が芸人としてやってきた19年は“転職する際のオフィシャルなルール”に照らし合わせると、
キャリアとしては全く認められないことになってしまう。
例えば、「文房具の営業をやっていて、これくらい売り上げをあげました」
「システムエンジニアとして、こういう開発に携わっていました」というのはキャリアとしてカウントされるんです。
一方、「芸人をやってきました」というのは、その観点からすると、カウントされない。
履歴書に正式に書けるものではないと。
となると、僕の場合、そういうルールに則って履歴書を書くとしたら“短大卒”“職歴なし”“41歳”という経歴になるんです。
その条件だとかなり限られた職種になりますし、選べる数もほとんどないくらいの状況になってしまう。
今まで自分が芸人をやってきた時間は“意味のない時間”と扱われるんだ。
公にはそうなってしまうんだ。
この感覚は非常にショッキングなものでした…。
自分の時間には意味がなかった。
もう、今の自分は求められない人間なんだ。
必要ないんだ。
どうしたらいいのか分からない。
そんなネガティブな思考に入っていって、かなり追い込まれてもいきました。