いつも一緒にいる女性と、万年筆のMとFについて議論になった
当然、Fの方が細く書けるから、手帳やとっさのメモなどに使える
しかし、その女性はMは正しく使えばF以上に使い勝手がいいと言った
結果、それを証明するべくとある場所に行くことになった
後日、待ち合わせの場所から少し歩いたところのマンションに連れて行かれた
「ここに万年筆のMを正しく使って、F以上に使いこなしている人がいるからね」
そういわれ、つれられて言ったのはその女性の実家だった
奥の書斎に通され、万年筆の使い方の蘊蓄を聞いた
つまり、傾けると細く書けるポイントがあるという
あまりにも傾けすぎるとインクがかすれる
その、絶妙のポイントを教えてもらった
MはFみたいに細く書けるし、太くも書ける
知り合いの女性の父に教わった
いつの日か、知り合いの女性の父をお父さんと呼ぶ日も来るのかもしれない

続く…