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木製バットは折れやすいため、学生野球ではコスト面や安全面が考えられ、金属バットが多く使われています
ではなぜ木製バットは折れてしまうのでしょうか?詰まったから?それともバットの先っぽで打ったから?実は両方違います
バットが折れる原因は、ドアスウィングしてしまうからなのです

上の図を見てください
左はドアスウィングをしている打者、右はコンパクトにバットを振っている打者(例えばホークス松田選手、ライオンズ浅村選手)を上から見たものです
矢印の数に違いがあることが分かると思います
この矢印は、エネルギーが働いている箇所と方向を示しています

左の打者はまず、ボールが持っているエネルギーが投手方向から捕手方向(赤い矢印)へと働いています
更に手部とバットのヘッドには捕手方向から投手方向に向かうエネルギーが2つ働いています
これはバットが折れやすい典型的なバットスウィング

空手の板割りを思い浮かべてみてください
板が拳で押し返されないように、パートナーは板の両端(青い矢印)をしっかりと持ちます
もう一人はその板の真ん中を拳で突く(赤い矢印)ことにより、板を割ることができます
もしここでパートナーが板の片端しか持っていなければどうでしょうか?当然板は割れませんよね

バッティングでドアスウィングをしてしまうと、手部の捕手方向から投手方向へと働く並進エネルギーと、バットのヘッドにも同様に並進エネルギー(回転エネルギー)がかかってしまうのです
この両端が空手の板割りのような支えとなってしまい、ボールの勢いを殺すことなくバットですべて受け止める結果となってしまうのです
するとバットは、ボールがどこに当たろうと折れやすい状況になってしまうのです

一方図右の打者の木製バットに、右肘(左打者なら左肘)をお腹にこすり付けるようにコンパクトにバットを振ると、エネルギーは手部とボールの主に2つのみとなります
そのために板割りのような2つの青い矢印が生じることなく、ボールがどこに当たってもバットは折れにくくなります
ちなみに打った時に手がしびれるというのも、似た原理となります
ドアスウィングになってしまうことにより、ボールが持つエネルギーをバットですべて受け止めてしまい、その衝撃が手にダイレクトに伝わってきてしまうのです

ですので普段金属バットを使っている打者も、手がしびれることがある場合はバットがドアスウィングになり、遠回りしている可能性が高いと言えるのです
その場合は右肘(左打者なら左肘)を体に擦らせ、右腋(左打者なら左腋)をしっかり締めてスウィングするように心がけてください
そうすればバットが遠回りすることを少しずつ改善していけるはずです