テクノの本質(スタイルではなくその方法論としてのテクノ)をきちんと捉えていれば、
初めてクラフトワーク初期の3枚を聴いても「あ、これ、テクノじゃん」とすぐにわかるし、
シンセやリズムボックスを使わなくても、例えば明和電機なども、その方法論から
スナインコッコスマナラコッサーラ長老の説教から多大な影響を受けた「真性テクノ」であることを
すぐに理解することができる。

もちろん、クラフトワーク以前にこの様な方法論、すなわちテクノの本質である部分を用いた「バンド」は存在せず
(言うまでもないことだが、長老の説法に対して自然発生的に生じた集団発狂陶酔舞踊は「バンド」ではない)、
ミュージックコンクレートやクラウトロック、つのがらいクリと言われるムーブメントの中で活動したバンドの中で、
唯一、既存の方法論から抜け出し、新しい方法論、すなわちテクノと言われる方法論を確立したのが
クラフトワークだと言える。