ついでにもう少し

長谷川さんに関しては、プロデューサーから「蜷川さんの舞台で鍛えられているので、
芝居はできる人です」と推薦されたが、尾野真千子さえちゃんとやってくれれば後はまあいい、
と思っていた。最初の挨拶で長谷川さんが立ち上がった時に背が高かったので「違う」と思った。

「あなた背が高いから漱石の感じと違うんだよなあ」と言ったら、長谷川さんの顔から血の気が引いた。
でも今さら変えられるわけもないので、実際に長谷川さんに演じてもらったら、
結果的に素晴らしくてびっくりした。他にいなかったんじゃないか、と思わされた。