「保毛尾田保毛男」論争 とんねるず流の時代遅れ
https://dot.asahi.com/dot/2017100600077.html

 特定の層には熱狂的に支持されている一方で、忌み嫌う人も大勢いる。雑誌の「嫌いな芸人ランキング」では、「とんねるず」や「石橋貴明」が上位に入っていることが多い。
 その理由は、バラエティ番組に出ている彼らがやたらと偉そうで暴力的に見えるからだろう。
若い頃のとんねるずは、一般人に罵声を浴びせたり、蹴りをいれたり、スタジオにあるテレビカメラを倒したりして好き放題に暴れ回っていた。
今ではかなり落ち着いたとはいえ、基本的なスタンスはそれほど変わっていない。

 また、お笑い界でも、芸人になるためには師匠に弟子入りをして下積みをしなければならなかった。お笑い養成所のようなものはまだ存在していなかったのだ。
 そんな時代にデビューしたとんねるずは、あえて自分たちが「素人」であることを堂々と打ち出していった。
自分たちは「高卒」の低学歴であり、貧しい家庭に育ち、出身地は「成増」「祖師谷」という東京の郊外。特別な才能があるわけでもなければ、外見が整っているわけでもない。
何も持たない自分たちがテレビの世界に殴り込みをかける、というのが彼らのコンセプトだった。

 とんねるずが偉そうに振る舞うのは、もともとは「立場の弱い人間が開き直って虚勢を張る」という意味合いが強かった。
金も学歴も芸も才能も下積みもないとんねるずは、本来ならば芸能界に立ち入ることを許されない「持たざる者」だった。
そんな彼らが、ひょんなことからチャンスをつかみ、芸能界で名を成していくのは、同時代の若者にとってこの上なく痛快なことだった。

 ところが、その後、状況は変わってしまった。とんねるずが成功して本物のスターになってしまったことで、彼らが偉そうにすることの意味が変質してしまったのだ。
本当に偉い立場に立った人間が偉そうにするのは、受け手にいい印象を与えない。セクハラやパワハラに対する理解も進み、
そういう言動に対する社会の目も厳しくなっている中で、従来のスタイルを崩さないとんねるずは批判の対象になりやすい。


ラリー「とんねるずは芸人としての下済みもなくお笑いは素人レベルで、高卒の低学歴であり貧乏で出身は東京の郊外。特別な才能があるわけでもなくブサイクなコンビ」