美輪明宏
「私がどれだけ悲劇を見てきたか――。

汽車のデッキに立って
出征しようとしている兵隊さんを、
「死ぬなよー、帰ってこいよー」
としがみついて見送る母親が、
憲兵に引きずり倒され、
ぶん殴られて、
鉄の柱に頭をぶつけて血を流している」

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美輪明宏
「戦争中は、
軍人の目に余る蛮行を
数々目にしてきました。

祖母の旅館が
女子挺身隊の寮になっていたんです。

あるとき、
女学生の1人がしゃがみ込むと、
セーラー服の襟元から、
カラフルな毛糸の下着が見えた」.


美輪明宏「すると、憲兵が飛んできて、
『貴様、この戦時下に
なんという色の肌着ば
身につけちょるとか!』と、
女学生の服を無理やりはぎとって
上半身裸にし、
殴る、蹴る。

挙句に
髪を掴んで
引きずり回したんです。

泣き叫んで謝る女学生の顔が、
見る間にお岩さんのように
腫れあがってね」.


美輪明宏「1週間後、
女学生は亡くなりました。