>>512
阿湖は無事であったことについて優しく声掛けしてもらったとはいえそれだけで
唯が消息不明と分かるや否や若君は明らかにたただならぬ様子で飛び出し朝まで帰ってこない
唯之助がおなごだと既に知っていて本名も知っている と
余程の鈍感でない限り少なくとも若君の心は唯にあるのだとわかる状況だけど
「足軽のなりをし戦でわしの命を守らんとするたわけたおなごでござる」と
わざわざ婚礼目前の許嫁である阿湖に聞かせたのはどういうことなのか考えてしまった
お前と結婚はするけど心にあるのは違うおなごなんだという事をわきまえろよ?
唯は私の命を守ると言って女の身で戦に出る位尽くしてくれるおなごなんだぞと?
唯が男のなりをしている事を疑問に思っただろうから理由を教えたかった?
唯への思いがあふれ言う相手も考えす思わず口にした?
阿湖は若君の部屋の前で待ち伏せしたり笛を聞かせろと押しかけたりできても
唯は命を懸けても立ち入れるのは部屋の前の庭まで  あぁ切ない