フィクションの中で露悪的な現実を突きつけても、もはや視聴者には届かない。求められているのは、過酷な現実から自分たちの心を守るためのシェルターとなるような「誰も傷つかない優しい世界」だ。
坂元裕二の『カルテット』が熱狂的に支持されたのは、あるフィクションを通して「誰も傷つかない優しい世界」を用意してくれたからだろう。そんな『カルテット』からの連続性で『anone』を見ると、
優しいファンタジーを私たちがなぜ、求めるのか? ということを裏側から描いたように見えた。
 今後、坂元裕二がドラマを通して問うてくるのは、私たちにとってのファンタジーは何かということだろう。それはそのまま今の時代にどういう物語が必要なのか? という坂元裕二自身の自問自答だとも言えるだろう
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180111-00010013-realsound-ent