>>57
彼女は何もかも忘れて子供のようにはしゃいでいる
真司が近づいてもその瞳はもう彼に興味を示さない
床には本が転がっていた
真司はその本を拾い上げようとした
「あたしのっ!」
突然彼女は、激しく感情を顕にして真司から本を奪い返した
彼女が大切そうに抱えた本の題名には
こう書かれている
砂にまみれたアンジェリカ


自分を、強くみせーたり
自分を、巧くみせーたり
どうして僕らはこんなに息苦しい生き方選ぶの?

凍えそうなベンチ
寄り添う恋人たち
いくつもの愛の言葉が生まれては消える

永遠は何処にもない
誰も触れることはない
でも君が笑うとその先を
信じてみたくなる手を伸ばしたくなる♪