「ブクハン」は自分にとって不愉快極まりない話だった。
自分なりに「バクハン」がなぜダメなのか考えてみた。

この話と表面上似ている櫻井武晴先生の傑作「暴発」と比較して。
「暴発」での右京さんの暴走の目的は、単なる真実の追及じゃない。
真実を明らかにする事によって捜査員に命を懸けさせるマトリの捜査の問題点を浮き彫りにすることだったと思う。
ラストの右京さんの自身のセリフからしてこれは間違いない。
つまり、真実を明らかにする事で事件の当事者である協力者・後藤の身は危うくなるが
これが世間にもヤクザにも周知の事実になれば、今後、このような捜査はできなくなる=第2の後藤は生まれない。
今後生まれうる多くのマトリの協力者を救うために後藤を犠牲にしてでも真実を追求は必要だった。
後藤を守りたい神戸VS後藤のような人間を二度と作りたくない右京だった。
でも「バクハン」ってそういう話じゃないよね?
違法捜査という真実を明らかにして誰が救われるの?ただただ、違法捜査に関わった刑事が傷ついただけの話。
「暴発」という作品の本質を理解せずに、ただ表面だけ右京VS相棒ってのをパクっただけにしか自分には思えない。