横川:僕、あまり追えていなかったんですが、『半分、青い。』はなぜあんなにも賛否が分かれたんですか?

西森:私は『半分、青い。』かなり好きでした。主人公が好きなことを言ってるのを見て自由に感じる派と、それに付き合わされる自分を想像してしんどい派か、だと思うんです。

成馬:朝ドラって、去年の『ひよっこ』で進化が終わったと思ってたんですよ。あとは反復になると思っていたら、『半分、青い。』が出てきて驚きました。

僕も鈴愛ちゃん好きでしたよ。どこにも所属できなかった、団塊ジュニアの恨み節を感じるというか。

西森:ロスジェネの生き方なんて、あんなもんだぜ、というか。何かやってみたけど挫折して、また次をやってみての繰り返しで。いろんなことに手を付けるのはドラマではNGだったかもしれないけど、実はリアルな人生では普通にあることですし。

成馬:ぶつ切り感が逆にリアルだったのかもしれないですね。

横川:確かに、自分の20代でやってたことが40代に繋がるかと言ったら繋がらないことの方が多いし。

成馬:律くん(佐藤健)がいるにもかかわらず、鈴愛がその都度その都度別の恋人ができるのも面白くて。1人の人と結ばれなきゃいけないという恋愛ドラマとしての朝ドラみたいなのは明らかに壊してくれましたね。
あともうひとつは才能の問題。漫画家になれない理由が結婚とかではなく、単に才能がないというのがすごい。朝ドラで仕事を辞める時は、大体、旦那を支えるとか戦争といった理由なんだけど、本人の問題でしかないのが『半分、青い。』でした。