自分の意に反して体が人を襲おうとしたらどうするか、との問に主人公が冷めた答を返したのが印象的だった。

窮地を脱するために誰かをゾンビにしようと提案する柚木は、馬鹿とかデリカシーが無いとかを通り越してサイコパス的だと思った。
けど、ああいうキャラだから最初に言い出したのが柚木だっただけで、何れは誰かが同じことを口にしていたのだろう。
そして、何れ仲間内で殺し合いをしていたことだろう。

安い気休めを宣うしかない父親に対して、その体を気遣う女子高生は、「本当はいい奴なんだなあ」と思ったんだけど、実はこの時点で親兄弟を含む仲間を見捨てて逃げ出すつもりだったのだろう。
だから、却ってああいう優しい言葉を掛けられたんだと思う。

極限状況がシビアになってきて当初ののほほんした様がなくなってきた。
カミュの『ペスト』のような感じになるのかと思っていたんだけど、もっと悪夢的・ディストピア的な結末になるのか?