前作と全く同じになるわけないし、覚悟していたけどちゃんと一定の水準まで持ってきたのはさすが
個人的には桑野の続きが見られたらそれでいい派なので女優陣が誰になろうがそんなに気にならない
ただ一つ残念だと思ったのはテンポだ

前作はとにかくテンポが良かった
桑野と早坂先生の掛け合いのテンポ
早坂先生とみちるの掛け合いのテンポ
桑野と沢崎のテンポ
それが軽妙なリズムを産んで桑野の偏屈さをよりユーモラスに際立たせていた

今作は弁護士と離婚裁判という割と深刻なところから入っていったので軽妙さは鳴りをひそめて重い空気になってしまった
主要登場人物たちの年齢もあるが、それぞれが結婚について重く捉えざるを得ないような作りになっている
冒頭の「少子高齢化が進む日本…」以下のナレーションやラストの桑野の演説からも今回はそこをテーマとして真剣に描くつもりなのかなとちょっと不安になった

前作では結婚云々にそこまで深刻な意味合いはなく、むしろそういうのをダシにしたコメディ感覚の軽妙なやり取りの方が作品の本質だったように思う
今回はそれをストーリ的に主軸に置きそうなので一抹の不安がある

吉田羊が「結婚がそんなに偉いことなんですか!」とブチギレてそんなテーマ吹き飛ばして桑野という変人と丁々発止の掛け合いをやればテンポが出る
その中で「結婚もいいかも…」と思わせるような展開こそが結婚できない男というドラマの本来のカラーだと思う